2026/09/30 NV事業
2026年7月1日の新社屋の開設に伴い、弊社の新しい計測設備となる半無響室を導入しました。
そこで、今回は「完全無響室/半無響室とは何か?」、「無響室の音を消す仕組み」を紹介します。

完全無響室/半無響室とは何か?
「無響室(むきょうしつ)」とは、その名のとおり“響きのない部屋”です。
壁・床・天井に高性能な吸音材を設置することで、室内で発生した音の反射や残響を極限まで抑え、外部からの騒音もほとんど入らない環境を実現しています。
そのため、音そのものの特性を正確に測定するための設備として、研究開発や品質評価に広く利用されています。
無響室には大きく分けて完全無響室と半無響室の2種類があります。
完全無響室は、壁・床・天井の6面すべてが吸音材で覆われた空間です。
床面にも楔(くさび)状の吸音材が配置されているため、測定機器はワイヤーメッシュや格子状の床の上に設置します。
音があらゆる方向へ自由に伝わる「自由音場」が再現されることから、小型スピーカーやマイクロホン、電子部品などの音響測定に適しています。

一方、半無響室は壁と天井の5面のみが吸音処理され、床面はコンクリートなどの硬い素材のままとなっています。
そのため、床からの反射音を含む「半自由音場」を再現でき、自動車や家電製品、産業機械など、実際に地面や床の上で使用される製品の騒音評価に適しています。
このように、無響室は用途によって構造が異なります。
目的に応じて使い分けることで、より正確で信頼性の高い音響データを得ることができるのです。
無響室の音を消す仕組み
無響室に入ると、まるで音が吸い込まれていくような不思議な感覚を覚えます。
その秘密は、壁・床・天井一面に並ぶ特徴的な楔(くさび)型の吸音材にあります。
この吸音材には、グラスウールや発泡材料など、内部に無数の細かな隙間を持つ素材が使われています。
音が吸音材の中に入り込むと、その隙間にある空気が細かく振動します。
このとき、空気と材料の間で生じる摩擦や粘性抵抗によって、音のエネルギーは少しずつ熱エネルギーへと変換され、失われていきます。
さらに、楔型の形状も高い吸音性能を支える重要な工夫です。
音波は楔の間を進む際に何度も反射を繰り返し、そのたびに吸音材と接触します。
その結果、音は外へ戻るまでに大きく減衰し、反射音がほとんど発生しません。
つまり無響室は、特殊な材料と楔形状の組み合わせによって、音のエネルギーを効率よく吸収し、「反射のない空間」を実現しているのです。
普段私たちが耳にしている音の多くは壁や天井からの反射音を含んでいるため、無響室で感じる独特の静けさは、音の本来の姿をあらわしているともいえるでしょう。

弊社保有半無響室性能
<暗騒音目標値>
空調稼働時 :NC-15以下 <遮音性>
遮音性能:D-85(最大箇所)
50dB / 500Hz(遮音壁+2重防音扉)
<防振性能>
湿式コンクリート浮床(固有振動数:15~20Hz)
<吸音性能>
カットオフ:125Hz
【特徴】
・無響室内サイズ(mm):W12500×W6500×H4500
・車両下面からアプローチ可能(地下ピット設置)
・2000㎜×3000㎜の定盤設置
「製品の騒音正確に把握したい」「問題となっている騒音の周波数を特定したい」といったお悩みがありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
今後は、半無響室で測定事例などを投稿していきたいと思います。
あらゆる振動・騒音のお悩みはモビテックにお任せください。